日誌

平成26年度 第2学期始業式式辞

2014年10月1日 17時00分

 季節の変わり目とは不思議なものです。本当に秋らしい気候となりました。
   さて、今日から第2学期です。皆さん一人一人が、第2学期「自分はこんなことを頑張りたい」そんな思いをもってこの式に臨んでいることと思います。
  「目標をもって生きる」ということは、とても大切なことです。特に皆さんのような若くて自分の人生の基盤をつくる時には、「志を持つ」ことがとても重要だと思います。

  私は、これから2つ、皆さんにこうあって欲しいと思うことお話します。
  1つ目は「勇気をもってチャレンジしよう」ということです。新しく何かを始める時には、エネルギーが必要ですし、失敗をしてしまうのではないか等、いろいろ不安がつきものです。
  終業式でもお話しましたが、K君は「高等学校英語弁論大会」に出場しました。本校では初めてのことでした。出場するまでには、いろいろ不安もあったのではないかと思います。後で聞くと、各高等学校から参加した生徒たちの多くは、海外での生活経験のある人、または海外留学の経験のある人であったようです。そのような生徒たちの中で、K君は堂々とスピーチし、本当に見事であったと他校の先生方からも評価していただきました。

  「障子を開けてみよ、外は広いぞ」。この言葉は、トヨタグループの操業者である豊田佐吉さんの言葉です。外には、学校の中では決して経験できない広い世界がある。その世界を経験することによって、人は大きく成長することができるのだと思います。
  Yさんは、車椅子マラソンに参加し続けています。Yさんのお母さんが言われました。「最初は勝てる大会しか向かいませんでしたが、今では勝てないと思われるような大会でも参加します。」と。ここにYさんの心の成長が感じられます。Yさんは、この大会に出場し、たくさんの生きる勇気や元気を得ているのではないかと思っています。
 また、中学部のT君は、ずっと学校に来れなかったのですが、夏休み明けから学校に来ています。教室ではなく、生活訓練室で担任の先生とお話したり、一人で勉強して帰るということですが、これもT君の新しい自分を求めるチャレンジです。皆さん一人一人が、向かうものは様々だと思いますが、何かに向けて勇気をもってチャレンジしてほしいと思うところです。

2つ目は、「健康に気をつけて、継続して取り組もう」ということです。2学期の後半、特に12月以降はとても寒くなります。体に気をつけて生活したいものです。
 さて、この写真は、小学部のS君です。毎朝、頑張って教室まで長いマラソンです。1学期終業式でも、特に2組から9組の皆さんが、頑張っておられる移動やからだの学習のことを紹介しました。2学期も一人一人が継続して何かに頑張ってほしいと思っています。「継続は力なり」、一歩ずつの積み重ねはとても大切です。

  さて、2学期には、「創立40周年記念学習発表会」、「障がい者芸術文化祭」があります。記念学習発表会に向けた取組は、各学部ですでに始められていると思います。  本年度は、創立40周年記念の学習発表会ですので、児童生徒、保護者、教職員が力を合わせて盛り上げ、記念すべき学習発表会にしたいと思っています。
  また、11月に開催される「障がい者芸術文化祭」は全国大会であり、その大会では、県内特別支援学校が合同で手話の歌や合唱をすることになっています。この大会も、9月の大会のように感動のステージとなればと期待しているところです。 
    
  今学期は、特に中学部3年生、高等部3年生においては新しい学校等への  入学試験に向かったり、特に高等部3年生においては就職をはじめとする卒  業後の進路を決定していく重要な時期になります。先生、御家族、関係機関等の方々と相談しながら、自分の目指す進路に自らの意志をしっかり持って向かって欲しいと思います。
  最後になりましたが、第2学期も児童生徒の皆さんが健康で、実りのある  学期となりますよう祈念し、第2学期始業式の式辞といたします

平成26年度 第1学期終了式式辞

2014年9月26日 17時00分

 早いもので、第1学期の終業を迎える日となりました。
  こんな歌を知っていますか。「こんなよい月を一人で見て寝る」
  自由律の句で、鳥取出身の尾崎放哉という人の句です。尾崎放哉は山頭火と並ぶ自由律俳句で有名な人です。今年、生誕130年周年ということで鳥取県で様々な事業が行われるようです。この歌のように、名月が見られるころとなりました。

  さて、1学期を振り返ってみるといろいろな行事等がありました。
  5月30日には、本校創立40周年記念式典を行いました。県教育委員会の教育委員長様、中央病院の院長様、高等学校、特別支援学校の校長先生方など、たくさんの御来賓がお出でになりました。
  その中で、高等部3年Iさんのすばらしいプレゼン発表がありました。また、高等部生徒の心のこもった「手話の歌」の発表がありました。皆さんの発表で、式場が感動に包まれたことを昨日のことのように思い出します。

  5月には、小学部の皆さんは校外学習があり、森林公園とっとり出会いの森で野外活動をしました。残念ながら、21日に計画していたグループはあいにく雨のため延期になりました。
   7月には、小学部・中学部・高等部で宿泊学習がありました。こちらも小学部の宿泊学習は、台風のため延期になりましたので、2学期に計画されることになると思います。
  9月には、中学部3-1組、高等部2年1,2組の修学旅行がありました。全員が参加し、各見学予定地の見学、ユニバーサルスタジオジャパンでの活動、グループによる自由行動等を行いました。皆が参加し、一人一人がみんなのことを考え、心を寄せ合ったすばらしい旅行ができました。
  その一週間後、小学部6年、中等部3年の2組から9組の皆さんの修学旅行は、姫路方面へバスで出かけました。姫路科学館の見学や東条湖おもちゃ王国等、存分に楽しんできました。皆が元気に参加できてよかったです。
  また、9月20日には、「障がい者芸術・文化祭とっとり大会」の一環で行われた「特別支援学校合同文化祭」」があり、本校高等部1、2組の皆さんが代表してステージに立ち、すばらしい傘踊りを披露しました。1、2組の全員が参加し、ステージに立てたことがすばらしいことでした。
  本校でも、大スクリーンの前で、皆が一緒に応援しました。何人かの児童  生徒がスクリーン前で踊っていましたが、ステージの皆さんまで通じたでし  ょうか。この日も感動の一日でした。

  また、様々な大会等へ参加もありました。
  5月に開催された県障害者スポーツ大会には、T君が50メートルで2位、1500メートルで4位の成績を収めました、。また、Yさんはビーンバッグ投げと100メートルで優勝という好成績をあげました。
  9月に開催された「鳥取さわやか車いす&湖山池マラソン」では、500メートル車イスの部で、Aさんが2位、Yさんが3位と健闘しました。

  さらに、高等部のK君は、本校ではじめて「高等学校英語弁論大会」に出場し、見事なスピーチを行いました。大会に向けて、長谷川先生やALTのオリバー先生の指導を受け、自らのスピーチを磨いていった努力は立派でした。

  さて、日々の学校生活の中で、毎朝、歩くことに頑張っている児童がいま  す。バスが玄関前に着いてから、教室までの長いマラソンにがんばる人。朝の  係活動で職員室まで配布物をとりにいく人など様々ですが、みんながそれぞれに頑張りました。
  また、車イスを自分でこいで頑張っている人もありました。みんながそれぞれに操作が上手になりました。
  電動車いすの運転・操作が上手になった人もありました。中には、すれ違いを意識しての運転に頑張った人もありました。
  以上、移動についてのがんばった人をあげましたが、その他にも様々な面で多くのみなさんの成長・頑張りがあったことと思います。

  私は、一学期に皆さんの学校生活を見て、すばらしいと思ったことを3つ  挙げたいと思います。
  1つめは、「自分の都合を相手の都合に合わせるということ」です。 これは、特に高等部2年生の修学旅行中の姿から学びました。自分の都合に周りの方が合わせて欲しいと思うことは、たくさんあります。その中で、自分が相手に合わせてあげる努力をすること。このことが自分の成長にもつながっていくと思います。
  2つ目は、「自分から様々な挑戦をすること」です。これは、英語弁論大会への参加、スポーツ大会、芸術文化祭等に参加した皆さんの姿から、学んだことです。成績も大事ですが、何かに向けて努力する、そしてその努力が自分の満足として感じられる。今を生きていることが実感できる。このことが一番大事なことだと思います。

   3つ目は「続けて努力すること」です。これは、児童生徒の皆さんの歩行・移動訓練の様子や小・中・高等部の2組から9組の皆さんが、毎朝行っている「からだ」の学習等から教えられたことです。日々の一歩は小さいですが、継続することによって大きな力となります。
   皆さんが頑張っておられることは、他にもたくさんあると思いますが、その中でいくつかを紹介させていただきました。今後も皆さん一人一人がそれぞれに頑張ってほしいと思います。

  さて、2学期の始業式は、10月1日です。それぞれ一人一人が2学期に向かう新たな気持ちをもって、新学期を迎えてほしいものです。
  以上、第1学期終業式の式辞とします。

創立40周年記念式典式辞

2014年5月30日 17時00分

 本日、鳥取養護学校創立40周年記念式典を挙行するにあたり、鳥取県教育委員会教育委員 委員長職務代行者 松本美惠子様、鳥取県立中央病院長 日野理彦様、鳥取県教育委員会特別支援教育課長足立正久様、鳥取市教育委員会次長 木村正人様、本校歴代校長様、江津地区関係施設長様、県内特別支援学校長様、高等学校長様、関係小中学校長をはじめ、多くの皆様の御臨席を賜りまして、本式典を挙行できますことを心から感謝申し上げる次第です。
  高いところからではございますが、お礼申し上げます。

  本校は、昭和50年4月1日、吉方町にあった旧鳥取県立中央病院を仮校舎として、病院内に小学部6学級、中学部3学級が開設されて、本校教育がスタートしました。
  昭和54年度から養護学校義務制実施となる旨の政令が昭和48年11月に公布され、全国的に義務制実施に向けて準備が進められていく中、本県においても準備が進めれ、東部における大きな取組がこの鳥取養護学校の創設でありました。
  校舎は、現在の県立中央病院が新築移転する江津の地となりましたが、このことについては、当時の中央病院長である牧野禮一郎氏が、県立中央病院新築の計画に際して、小児慢性疾患の子どもたちの小児病棟設置を決められ、入院児のための養護学校を病院に隣接して設置するよう県教育委員会に進言されたとのことであります。

  昭和50年4月1日、初の県立病弱特別支援学校として「鳥取養護学校」が開校し、同年5月30日に新校舎に移転しました。新校舎は鉄筋一棟の小さなものでありましたが、児童生徒、保護者、教職員にとっては、まさに希望の光でありました。それまでは、すべてが借り物。教室も無ければ、机、いすも無い。教師は、病室に出かけて授業をするが、その病室には大人の方もおられ、大きな声を出すこともはばかられる状況がありました。
  昭和54年度から、それまで「就学免除」とされていた在宅の重度の子どもたちにも教育を行うべく「訪問教育」が行われることとなりました。このことは、すべての子どもたちに教育の道が開かれ、どんなに障がいが重くても子どもたちの実態から教育が始まるという大きな発想の転換であり、画期的なことでした。しかしながら、実質の時間は、1時間程度の教育が週に2回ほど行われたということであり、十分なものではありませんでした。このことが充実するのは、「重複障がい学級」が設けられる昭和63年度からのこととなります。

  平成10年4月に「高等部」が設置され、小・中・高等部として一貫教育ができるようになりました。中学部(単一障がい学級)卒業生の中には、高等学校段階の教育も病弱特別支援学校で学びたいという生徒が多くいました。また、重複障がい学級の生徒においては、学校教育の場が中学部までで終わってしまうということがあり、この高等部設置は、本校の児童生徒、保護者が長年望まれてきた願いでありました。

  この平成10年度以降、鳥取養護学校は、めざましく発展します。
  平成12年4月からは、看護師が配置(当時は2名)されました。このことによって、医療的ケアを要する児童生徒も安心して学校で学べるようになりました。
  また、平成15年4月からは、肢体不自由教育の看板も掲げる学校となり、肢体不自由・病弱の特別支援学校となりました。また、同年、学校給食も開始されました。これまで、本校の学校給食は、一人一人に食事制限があったり、食形態についても、きざみ食、ミキサー食、ペースト食があるため、この実現は「夢のまた夢」と思われていただけに、このことも画期的なことでありました。
  さらに、平成18年9月からは、スクールバスが運行されるようになりました。特別支援学校の児童生徒の通学圏域は広く、このスクールバス運行も学校教育の充実に大きくつながるものでありました。

 開校当時、教職員13名から始まった小さな学校も、今や教職員90名を超える大きな学校になりました。本校創立以来の卒業生は、高等部が設置されるまで(平成9年度末まで)の中学部卒業者数は101名、鳥取養護学校高等部が設置されてからの高等部卒業者数は97名となっております。
  また、施設設備も当初と比べれば各段に充実し、冷暖房完備の体育館、室内にある水治訓練室、障がい者用エレベータ・トイレ、自立活動室、ケアルーム、給食調理室等を備えたものとなっております。
  このように、学校の規模は拡大し、施設は充実して参りましたが、要はここに勤務する教職員や学ぶ児童生徒に、開校当時の人々に負けないくらいの気持ち・気概があるのかどうかが問われることと思います。

  岡本かの子さんの歌にこのような歌があります。
  「さくら花 力いっぱい咲くからに 命をかけて 我が眺めたり」
  毎日、各教室を周ってみる時、特に重複障がい学級を見ますと、まさに子どもたちが命の花を咲かせて生きている。このようなことを強く感じます。それゆえに、私たちは、その「命の花」に応えるべく「命をかけて」関わる気概をもたなければならないと心から思う次第です。

  鳥取養護学校の過去から未来につながる歴史の大河があるならば、私たち教職員は、歴史の一端を担う者として、この記念すべき年に確かな学校経営・学校教育をすることを改めて肝に銘じなければなりません。
  また、児童生徒の皆さんは、今日の恵まれた学びの環境に深く感謝し、感謝の気持ちをもって、日々の学習に取り組んで欲しいと願うところです。

  歴史を振り返ることは、今を客観的に観ることであり、未来を展望することでもあります。本日、多くの皆様の御来駕を得て、創立40周年記念式典が行える喜びを深く噛みしめ、未来を見据えて鳥取養護学校の教育を一層充実させていくことをここに誓い、簡単ではございますが式辞といたします。

                    

              平成26年5月30日
鳥取県立鳥取養護学校長  野 坂 尚 史



平成26年度入学式式辞

2014年4月9日 12時05分

久松公園の桜は満開となり、また野辺には春の花々が咲いて、まさに大地が胎動する季節を迎えました。
  本日、県立中央病院長 日野理彦様、鳥取県教育委員会教育委員長 中島諒人様、歴代本校校長様、近隣の小中学校長様、各関係施設長様をはじめ、多くの皆様の御臨席を賜り、ここに平成26年度第40回鳥取県立鳥取養護学校入学式を挙行できますことを、誠にうれしく思う次第です。高いところからではございますが、心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。
  本年度は、小学部4名、中等部4名、高等部11名の合わせて19名の児童生徒の皆様が入学されることとなりました。

  小学部に入学される4名の皆さん、ご入学おめでとうございます。この学校には、担任の先生、養護の先生の他に看護師さんがおられますので、安心して学校生活を送ることができます。また、教室の中でのお勉強のほかに、、外へ出かけたり、学校に泊まったりする学習や他の学校の友だちと一緒に学習する交流学習もあります。早く、先生や友ちの顔を覚えて、仲良く楽しい学校生活を送りましょう。

  中学部に入学される4名の皆さん、ご入学おめでとうございます。N君、Y君、Kさんは本校小学部から、T君はK小学校からの入学です。T君は、初めての学校なので心配だなあと思っておられるかも知れませんが、この学校は、家族のような関わりの中で学習や生活をする学校です。どうぞ安心して学校に通ってください。4名の皆さんが、日々の学習、宿泊学習や様々な体験活動をとおして、成長されることを祈っています。

  高等部に入学される11名の皆様、ご入学おめでとうございます。皆さんが本校中学部からの入学でした。
  高等部では、卒業後の社会での生活も視野に入れながら、一人一人の進路を考えた教育を行うことになります。皆さんの持てる力を精一杯発揮していただくとともに、一人一人が個性を発揮して大いに高等部を盛り上げ、高等部生活を楽しんでいただきたいと思います。体調に気をつけながら、みんなで支えあって学習や生活をしていきましょう。

  私は、みなさんにこんな児童生徒に成長してほしいと願っていることが三つあります。
 
 一つ目は、「豊かな表現ができる子」になってほしいということです。それは、自分の考えや気持ちを「言葉」で伝えることであったり、絵やダンス等で表現する場合もあります。また、自分の気持ちを伝えるのに音声の出る機器を使ったり、表情や発声で伝える人もあるでしょう。それぞれに豊かな表現ができる子になってほしいと思います。

 二つ目は、「自分のことを大切に思える子」になってほしいということです。皆さんは、御両親・御家族に大切に育てられ、今を生きています。皆さん一人一人が大切な存在で、あなたがいることで周りに明るさや元気を与えていること、またあなたには、人の役に立てる何かができると思います。それを一緒に見つけていきましょう。

 三つ目は、「工夫しながら、挑戦する子」であってほしいということです。皆さんは、病気や肢体不自由等があって、できることに制限があるかも知れませんが、やる気をもって工夫すれば、可能性が開けます。皆さんの先輩がそうであったように、皆さんにも挑戦する気持ちをもって欲しいと思います。

  私が、お話したのは①「豊かな表現ができる子」になってほしいということ、②「自分のことを大切に思う子」になってほしいといこと、③「工夫しながら、挑戦する子」になってほしいということでした。心にとめていただければ、うれしく思います。

  さて、保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。高いところからではありますが、心よりお喜び申し上げます。   学校は、今日から責任をもってお子様をお預かりし、お子様の実態に合った手厚い教育を教職員一丸となって行って参ります。
  特別支援学校の教育は、たくさんの連携によって行われていますが、とりわけ保護者の皆様との連携は、お子様の成長・自立を考える時、欠くことのできないものです。保護者の皆様と一緒に手を携えて、お子様の教育にあたりたいと考えますので、どうか御協力を宜しくお願い申しあげます。

  最後になりますが、入学された児童生徒の皆様が、早く学校に慣れられ、人との関わりの中で、たくましく成長されることを祈念し、式辞といたします。

                         
平成26年4月9日
鳥取養護学校長  野坂 尚史

平成26年度の開始に向けて

2014年4月9日 12時00分


桜ばないのち一ぱい咲くからに 生命(いのち)をかけてわが眺めたり
                                                       岡本かの子

  春の象徴とも言える桜の花を見る喜びは、冬の厳しい地方の人ほど、ひとしおのものがあるように思います。高齢となった私の両親も、この花を見るともう一年頑張ろうという気持ちになるようです。冒頭の歌は、岡本かの子さんの桜に関する迫力ある歌です。いのちいっぱい咲く桜の花を見る側の私も命をかけて見つめたという趣意の歌です。
  過日、第1学期の始業式を行い、本年度の教育活動がスタートしました。各学級をまわると、新しい学級で先生と児童生徒との和やかな会話があったり、旧担任が児童生徒への関わり方やポジショニング等について丁寧に引き継いだりする姿が見られました。
  保護者の皆様の一番の関心事は、お子さんへの関わり方等がきちんと引き継がれるかどうかであると思います。学校として、万全を期していく所存ですので、御理解・御協力をよろしくお願いします。
  さて、本年度、鳥取養護学校は創立40周年を迎えます。記念事業として、5月30日に記念式典、10月18日に記念学習発表会を開催する予定です。昨年度、保護者の方に記念のオブジェ等を制作していただき、深く感激申し上げたところですが、本年度におきましても、児童生徒及び保護者の皆様との強い連携のもと本事業を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  また、本年度は全国障がい者芸術文化祭が鳥取市で開催されます。昨年度、鳥取養護学校は、高等部の有志の生徒と先生がこの県大会に笠踊りで参加しましたが、本年度は、その全国大会が鳥取の地で開催されるということです。
  この大会にちなんで、9月に倉吉市で県内特別支援学校の発表会が開催されるとともに、11月に開催される全国大会のオープニングには、県内特別支援学校による手話の歌等の合同発表が行われることになっており、鳥取養護学校においてもできる限りの参加をしたいと考えています。
  児童生徒一人一人が個性豊かで、すばらしい力をもっています。本年度もその持てる力を学校生活や様々な大会等において十分発揮してもらいたいと思っています。また、自分や友達を大切にし、自分に自信が持てる人に育ってほしいと心から願っています。
  本年度も、児童生徒にとって、楽しい思い出がたくさんでき、たくましく成長する年となりますよう教職員一丸となって取り組んでいきますので、どうぞよろしくお願いします。

平成26年4月9日
鳥取養護学校長   野 坂  尚 史

平成26年度1学期始業式式辞

2014年4月7日 12時00分

今日から平成26年度の学校生活が始まりました。皆さん、春休みの生活はどのように過ごされたでしょうか。家庭で過ごされたり、デイサービスなどで過ごされたり、学校とは違う人々と触れ合って、それぞれによい春休みを過ごされたことと思います。
  今日から、新しい学年・学級で、新たな気持ちで学校生活を送っていきましょう。
 
  さて、本年度度、鳥取養護学校は創立40周年を迎えます。人間で言うと40歳です。この創立40周年の事業としては、5月30日に記念式典、10月18日に記念学習発表会をする予定にしています。
 この実施については、児童生徒の皆さんや保護者の皆さんと力を合わせて行いたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

  また、本年度は全国障がい者芸術文化祭が鳥取市で開催される年でもあります。昨年度、鳥取養護学校は、高等部の有志の生徒と先生が笠踊りで参加したところですが、本年度は何とその全国大会が鳥取で開催されるということです。
  9月20日には、倉吉市で県内特別支援学校の発表会があり、11月1日の鳥取市で開催される全国大会には、県内特別支援学校がそろってそのオープニングで手話の歌をすることとなっています。鳥取養護学校もぜひ参加したいと考えており、またいろいろ相談させていただきますが、よろしくお願いします。
  本年度、とても忙しい年度になりそうですが、この年度に鳥取養護学校の児童生徒として在籍していることを意気に感じて、皆さんの力で大いに盛り上げてもらいたいと思っております。
  みなさん一人一人が個性豊かな存在で、すばらしい力をもっていますので、その力を学校生活や様々な大会等において、十分発揮してもらいたいと思っています。また、自分や友達のことを大切に思うとともに、自分に自信をもってもらいたいと考えています。

  本年度が、みなさんにとって、楽しい思い出がたくさんでき、一人一人がたくましく成長される年となりますよう心から願って、始業式の挨拶とします。

                                             

 平成26年4月7日

                                                        

鳥取県立鳥取養護学校長 野 坂  尚 史


平成25年度 入学式式辞

2013年4月10日 13時44分

平成25年度 入学式式辞

  今年は桜の開花が早く、桜の見ごろは終わりましたが、次から次へと春の花が咲き始め、まさに大地が胎動する季節を迎えました。
 本日は、県立中央病院日野院長長様をはじめ、近隣の小中学校長様、各施設長様、歴代本校校長様、また本校を支えてくださる多くの皆様に御臨席を賜り、第39回鳥取養護学校入学式を挙行できますことを、誠にうれしく思う次第です。高いところからではございますが、心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。

  本年度は、小学部3名、中等部9名、高等部12名の児童生徒の皆様が入学されることとなりました。
  小学部に入学される3名のみなさん、ご入学おめでとうございます。この学校には、担任の先生や養護の先生の他に、看護師さんがおられますので、安心して学校生活が送れます。また、学習は、教室の中でのお勉強ばかりでなく、外へ出かけたり、学校に泊まったりす他の学校の友だちと一緒に学習する交流学習もありますので楽しみにしてください。早く、先生や友ちの顔を覚えて、仲良く生活しましょう。
  中学部に入学される9名の皆様、ご入学おめでとうございます。6名の皆様は本校小学部から、3名の皆様は小学校からの入学でした。他の学校から本校に入学された皆様の中には、どんな学校だろうか心配だなあと思っている人がおられるかも知れませんが、大丈夫ですよ。この学校は、少人数の家族のような関わりの中で、皆さん一人一人に寄り添って学習を進めますので、安心して勉強することができます。これまで分からなかったことも、遠慮なく聞いて、自分の力を伸ばしていってください。
  高等部に入学される12名の皆様、ご入学おめでとうございます。本校、中学部から3名、中学校から6名のみなさまが入学されました。
  高等部は、社会に出ることを見据え、皆さん一人一人の進路を意識した教育を行うことになります。これまでの生活経験等は様々ですが、皆さん一人一人が個性を発揮して、大いに高等部を盛り上げ、高等部生活を楽しんでいただきたいと思います。
  これまで分からなかったことでも、少人数の学習の中で、分かることもあります。体調に気をつけながら、みんなで支えあって学習していきましょう。

  私は、鳥取養護学校の校長として、こんな児童生徒を育てたいなあと考えています。
 ① 自分らしさを発揮しながら、人との関わりを楽しむ子
 ② 明日学校に来ることを楽しみに思う子
 ③ 自己肯定感(自分は役に立てるという気持ち)を持ち、目標に向かって頑張る子

  一人一人がすばらしいものをもっています。それを発揮できる学校にしたい。また、自分のことを大切に思うと同時に、自分に自信がもてるようにしたい。これが校長の願いです。
  
  さて、保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。高いところからではございますが、心よりお喜び申し上げます。学校は、今日から責任をもってお子様をお預かりし、お子様の実態に合った手厚い教育を教職員一丸となって行って参ります。
  特別支援学校の教育は、たくさんの機関や人々の支え・連携によって成り立っています。その中でも、とりわけ保護者の皆様との連携は、お子様の成長・自立を考える時、欠くことのできないものです。保護者の皆様と手を取り合って、お子様の教育にあたりたいと考えますので、どうか御理解・御協力を宜しくお願い申しあげます。

  最後になりますが、入学された児童生徒の皆様が、早く学校に慣れられ、人とのっ関わりの中で、たくましく成長されることを祈念し、式辞といたします。

                             平成25年4月10日

                                         鳥取県立鳥取養護学校長  野坂 尚史

平成25年度1学期始業式式辞

2013年4月8日 13時45分
平成25年度1学期始業式式辞
    
  みなさん、今日から平成25年度が始まりました。春休みの生活はいかがでしたか。家庭で過ごされたり、デイサービスなどで過ごされたり、学校とは違う人々と触れ合って、よい春休みを過ごされたと思います。
  これから、新しい学年・学級で、新しい気持ちで学校生活を始めましょう。
 
  私は、鳥取養護学校をこんな学校にしたいと思っています。
 ○ みなさんが、先生や友だちと関わりを楽しみ、楽しくお話や勉強ができる学校
 ○ みなさんが、自分のことを相手に伝えたり表現できる力を伸ばす学校
 ○ みなさんが自分のことや友だちのことを大切に思い、そして皆さんが生きる意味や役    立ち感のもてる学校

  みなさん一人一人がすばらしいものをもっています。それを発揮できる学校にしたい。また、自分のことを大切に思い、自分に自信をもってもらいたい。これが、私の願いです。
  皆さんの中には、体に不自由があったり、病気があったり、心の調子が安定しなくて、いろいろ勉強や生活をする上で、苦労があることと思います。
  しかし、人と同じようにできなくても、何とかしようという気持ちがあれば、いろい  ろアイデアが浮かんできます。
  かつて、みなさんの先輩で、このような方がおられました。彼は、電動車イスで生活をし、勉強も教室の後ろにベッドを置いて、学習の半分は車イスで、半分は教室のベッドで勉強されていました。
  ある時、自立活動の時間で、5人が一組で「じゃんけんゲーム」をしようということ  になりました。「ぱー」は、みんなが立ちます。「ぐー」はみんなが座ります。 「ちょき」は、2番目、3番目の人が立ち、他の人は座ります。
  しかし、この先輩は、立つこともできないし、体も自由に動きません。そこで、彼はこんな提案をしました。その内容は、自分は車イスを使っているので、みんなと同じようにはできないけど、みんなが立つ時には車イスを前に出し、みんなが座る時には後ろに動かして参加するというものでした。
  私は、この言葉を聞いた時、驚きとともに深い感銘を受けました。工夫することによって可能性は広がることをこの生徒から教えられました。彼は、現在、DVD制作等の会社で活躍されています。
  これから、一年間、学校は、日々の学習の他に、修学旅行、校外学習、職場体験、宿泊学習、学習発表会など、いろいろな行事があります。みなさんが、積極的に参加して、成長されることを期待しています。

  さて、来年度、鳥取養護学校は創立40周年を迎えます。人間で言うと40歳ですよ。
その取組の準備にもかかりたいと考えていますが、いろいろ皆さんにも相談させてもらうことがあると思います。
  鳥取養護学校をこれまで、卒業された方は、今、どのような生活をされ、活躍されて  いるのでしょうか。また、鳥取養護学校がなかった時にも、このような学校で学びたい方はおられたと思うのですが、その方はどうしておられたのでしょうか。
  このようなことを知り学ぶことは、みなさんの生き方を支えることにもつながるので  はないかと考えていますが、どうでしょう。また相談させていただきます。
  いろいろお話をしました。本年度が、みなさんにとって、楽しい思い出がたくさんで  き、一人一人がたくましく成長されることを願って、始業式の挨拶とします。